国債とは何か?基礎から国債を知る

国債の種類とメリット・デメリット

戦争と国債

ハワイの真珠湾攻撃ではじまった太平洋戦争は、「天文学的な」といわれるほどの額の戦費を費やしたあげく敗戦となり、国土を焦土化させただけでなく、国家財政をも破たんさせました。太平洋戦争に使われたお金は当時の金額で1900億円だったと言われます。現在の金額にすると4000兆円ものお金を投入した計算になります。戦争資金のほとんどは国債の発行で調達されたということです。

開戦に至る日本政府には、もともと戦費として潤沢な予算を組めるような財源などなかったのです。しかし国債を発行しても貧乏な国民がとうてい買い支えることなどできないし、結局日本政府は一時的に日本銀行に直接国債を引き受けさせることにしました。もちろん、国民にもさらにせっせと国債を買わせていたという事です(戦時国債)。当時の国民に伝えられた国債に関する説明には、「国債は日本国民に対する国の借金ですが、国が利息を払って返済するものだから、結局は国民の懐に戻ってくるものです。国民が消化する限り、絶対安心なのだから少しも恐れることはないのです!」と言っていたようです。今でも国債に関しては同じような説明がなされていますね。国の経済がきちんと成り立っている限りでは、それは間違いではないようですが。

しかしその後太平洋戦争は激化し軍事費はますます増加し、国債の発行は際限なく増えていきました。そして敗戦。この戦争で300万人を失い、工場などの建物も生産機械や船舶も破壊され、働く人も失って、生産力を失ってしまいました。国の経済はバランスを失い、モノ不足からその値段はうなぎのぼりになりました。日銀は国債を引き受けてどんどん紙幣を刷り、退役した軍人への退職金やら戦時中に受注した武器や兵器などに優先的に支払いをしたといいます。さらに国民は買わされた国債を敗戦になったとたんいっせいに解約したので、お金が過剰に市中に出回り、その価値は紙くず同様になって猛烈なインフレ状態、いわゆるハイパーインフレと言われる事態となりました。

そんななかで国はインフレ対策の為に、預金を引き下ろそうと殺到するのを防ぐために預金封鎖を実施し、「税金を国債や封鎖預金で支払ってもよい」としてただ同然で国債を買い上げました。乱発した国債の整理をしたんですね。この時に紙切れ同様の国債をかきあつめて、莫大な財産税を支払われないでいる大金持ちに売りつけて儲けた人の中には、現在の著名な資産家もいるという事です。

戦争という事態は、どの国でも経済を大混乱させますが、この太平洋戦争に関してはまったく無謀としかいいようがなかったようです。しかし皮肉にも、物価が高騰しても国債の値段は変わらないため、政府の負担は急激に減少したと言います。こうして日本はどうにか国債の債務不履行をのがれたということです。

Copyright © 2014 国債とは何か?基礎から国債を知る All Rights Reserved.