国債とは何か?基礎から国債を知る

国債の種類とメリット・デメリット

中央銀行が国債を買う?

太平洋戦争後、日本はハイパーインフレと言われる事態に陥りました。物価は一時100倍にもなったそうです。このインフレになった大きな要因のひとつとして、「国債の日銀引き受け」があるといわれています。敗戦後の復興処理や、戦争中から受注されていた武器や発行され続けてきた莫大な戦時国債のへの支払いなどに対応するため、政府は国債を日本銀行へ「引き受け」させ、日銀はお金を刷って直接政府に支払ったのです。その結果、市中にお金があふれたのですが、戦後の生産力低下などで商品は不足して物価は高騰し、お金の価値は急落して結局激しいインフレを引き起こしたのです。

日銀など中央銀行の目的は物価の安定です。中央銀行は市場に出回る通貨量を調整するために、民間銀行に融資する際の金利(政策金利)を決定します。金利を上げて通貨の流通を抑えたり、逆に金利を下げれば企業は設備投資の資金などを金融機関から借りやすくなります。こうして通貨の流通を促進することで物価を調整しようとしているのです。

日銀による国債の「買い取り」と「引き受け」は、意味が違います。「買い取り」とは日銀が市場の銀行が保有している国債を買う事です。銀行は資金がふえ、金利を下げて企業や個人への貸し付けを促進することができます。金利がさがることで個人の購買意欲も増し、景気を回復させる効果が期待できます。

国債の「引き受け」とは、日銀が金融市場を通すことなしにお金を刷って国債を買い、政府へ直接資金を渡します。政府はそれをもとに満期が来た国債の支払いに充てたり、公共事業を起こしたりして景気を刺激し、経済を活性化させようとします。しかしお金を刷らせればいつでも政府は簡単に資金を手にすることができるため、いつの間にか緊張感や節度がなくなり、通貨の増発に歯止めがかからなくなる恐れがあります。このことが戦後のハイパーインフレを引き起こす大きな要因のひとつになったといわれているのです。

そうした歴史的な経験から、現在では日本銀行における国債の引き受けは原則として法律で禁止されています。アメリカでも欧州でも中央銀行のいわゆる「国債引き受け」は行わないとしています。ただし日銀では、特別な理由があるときは国会での議決を経て引き受けが可能とされていて、どこか逃げ道をつくっているようです。最近、安倍首相が「日銀の国債引き受け」に言及したとして、政府が抱える莫大な借金の後始末のために日銀が国債を引き受けたりしたら、また戦後のハイパーインフレの再来になる、と大きな物議をまき起こしました。

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